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寝ちゃった。しょうがないなあ。
呆れた気持ちで、じっとしていた。
私はわりと酔っ払いの言動には寛容な方だ。
だから、これも酔っ払っているせいなので仕方がない。
そう冷静に思っていた。
ほどなくすると、高級ホテルの車寄せに到着した。
スギちゃんは眠そうに眼を開けた。
支払いをして、私の手を引っ張るようにしてホテルのロビーに向かって歩いて行く。
そのまま迷うことなく、最上階のラウンジに向かうエレベーターへ乗り込んだ。
タクシーと違い、完全に二人きりの密室だ。
まずい。
なんとなくそんな感じがした。
別にこの男に対して恐怖感も嫌悪感も無かった。
とりあえず、酔っ払っていて、
調子にのって色んなことをしてくるという予感だけがした。
それは、0.1秒もしない内に的中した。
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