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真正面に向かい合った状態でギュッと抱きしめられた。
そのままキスをしてこようとしたので、顔を左右に巧みに振り、避け続けた。
「いいじゃん、チュウさせてよ~。」
「しません。しっかりしてよ。」
そのやりとりを、最上階に到着するまで続けた。
やっぱり酔っ払いは面倒くさい。
でも、今夜は遊びたい気分なのだ。
これまで、飲み会に参加したとしても、まさかその後2人で飲み直す
などということはあり得なかった。
あきちゃんは、私が会社の飲み会に参加することさえも嫌がる人だった。
飲み会の、いや、それ以外の予定も全て彼には伝えていた。
彼も全ての予定を私に伝えていたので、
お互いに相手の行動は逐一分かっていた。
飲み会の帰り道には必ず連絡を入れ、家に着いた時も電話をする習慣になっていた。
激しくお互いを縛り付けあっていた恋愛の反動なのか、
気持ちが離れた今は、外に出て遊びたい気分で一杯だったのだ。
初めて出会った男性と二人で飲み直すなんて、まさに憧れていた遊び方だ。
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