セカンド

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私はあきちゃんと付き合い始めてから、飲み会や合コンにはほとんど参加しなくなった。 新卒で勤めた商社ウーマン時代も客室乗務員時代も、誘いはあったが見向きもせず、あきちゃん一筋だった。 もちろん人数合わせや、たまに刺激がほしくなったりちやほやされたくなったら、行ったことはあるけれど。 結婚していようと女性のいる飲み会に参加するのは、商社マンとして当たり前の遊びなのだ。指輪もきっちり外してくる男だっている。それは同じ業界で働いている以上、よく知っているつもりだ。 「しょうもない男たち」 そう心の中でつぶやきつつ、もしかしたら広がるかもしれない男のネットワークに希望を持つ。 「じゃあさ、今日夜12時回るまであだ名で呼び合おうぜー。」 飲み会が始まると、男は慣れた様にスムーズに会を盛り上げ、そんな提案をした。 「いつものやつね!」 と、ミナミと優子先輩は相槌を打った。このメンバーで行うときには、お決まりのイベントらしい。
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