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暖かな日差しが桜並木に差し込み、時折落ちてくる花弁が春を感じさせてくれる。
「もうそんな季節か」
体育館から竹刀を打ち合う賑やかな音と声が聞こえてくる。
不思議なことに昔から剣道を見るのが好きだった。
ただ、なぜか自分がやるのは抵抗があり入部はしたことがない。
校舎に続く並木道から、体育館の中を覗く。
一際目立つ奴が、大きな気合いの掛け声と共に竹刀を降り下ろしたところだった。
衝撃の強さに、試合相手は堪らず転がり倒れる。
「すげぇ…」
今まで見た中で一番強い。数メートル離れたここまで気迫が伝わるようだ。
驚いて呟くと。
座って面を外していた相手がこちらをふいに見た。
瞬間、外はゴオっと風が巻き起こり桜の花弁が狂ったように舞い散る。
目をかばうように前にかざした腕を下ろした時、目の前にそいつがいた。
「あんたさ、どっかで会った?」
「え?」
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