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ねくらちゃん
水島直子はねくらだ。
根が暗い、の「ねくら」である。
歳はもうすぐ40歳。
ますます、ねくらに拍車をかけている。
今朝だって、ねくら力(ねくらりょく)を
存分に発揮させていた。
今朝、駅前でティッシュを配っていた。
無料大好き、
タダでもらえるもんはもらっとけ!主義。
絶対、ティッシュもらう!
そう鼻息ぶんぶんで歩いていた。
ティッシュ配りはやや距離をおいて二人いる。
二人からティッシュをもらわなければ。
そう考えながら、歩いていた。
ティッシュ配りの若い男の前で、
ややスピードを落とし歩く直子。
がめつくもらおうとしてない風を装い、
歩いていた。
が、、、
ティッシュ配りの若い男は、
直子が通る瞬間、段ボールから
ティッシュを取った。
直子はその瞬間に通り、
もらえなかったのだ。
うそ
うそ
うそでしょーーーー!
タダでもらえるティッシュ。
無料でもらえるティッシュ。
買うなんてありえない、ポケットティッシュ。
それをもらうチャンス、
私としたことが逃すなんてーー!
直子はその場で
発狂しそうになった。
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