過去 藍墨色の夜(花音目線)

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チューってさぁ、 チューなんだわよね。 そりゃ付き合ってるからするわけで。 うーむ。 父親もチュッて私にしてくれるし。 母親もときたましてくれるし。 まぁ、親しい人間にはするよね。 ウンウン。 だからって言って。 「ねぇ、ベロチュウってした事ある?」 「………。」 目の前にいる、麗しいお方は思いっきり眉間にしわを寄せた。 あぁー、中々似合ってます、その眉間にしわも。 寧ろその険しいお顔の方がこの人っぽい。 「花音? 今この例題を解いてたよね? もう終わったの?」 ヤッベッ!! 怒ってる。 「ま、まだ……です。」 「今さっきから集中出来てないよね? 花音はベロチュウの事ばっかり考えてたの?」 うっわ、薫からベロチュウって言う単語を聞くなんて、メッチャ恥ずかしいんだけど。 って言うか、やっぱりしてるよね。 薫も。 あの時の衝撃キスから、小山君は度々キスする様になって………、この前は、初めてやったちゃっんです。 ベロチュウ。 でもさっ、唇と唇が触れ合うくらいなら良かったんだけど。 ベロチュウって、 ハァー。 ベロチュウって思ったらため息が出てしまった。
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