過去 藍墨色の夜(花音目線)

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「セックスするかどうかの意思確認かな?」 「へっ?」 薫の突拍子な発言に固まった。 「デープキスね。」 ……、そんな真面目な顔されて言われても、小っ恥ずかしいのですが。 顔、近いし。 「花音は、セックスしようと思う様な、親密な関係を築ける人に巡り会ったのかな?」 エッ……と。 何も言い返せないと言うか、そこまで考えが回ってなくて、薫の顔をうかがった。 薫は優しい眼差しで柔らかく私を見てた。 激しく後悔。 なんで薫にベロチュウしたことあるかどうか話したんだろ。 薫が、したよ~、みたいな感じで答え返す訳ないじゃん。 薫はいつも、質問したらじゃあ自分で考えて、と言わんばかりに、答えを導き出させるように質問や会話をしてくる。 もー、軽~いつもりだったのに。 すごく、重いし。 ただ、ベロチュウしたかどうか聞いただけじゃんよー。 本当にごめんなさい。 この質問なかったことにして下さい。 なーんて無しには出来ないしな。 元々、真面目だから、お互いに。 親密な関係を築ける人? その言葉は十分に私の心に引っかかりを残した。 喉に刺さった魚の小骨の様に。
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