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薫はポンポンと頭を撫でた。
「ゆっくりでいいよ。
自分の気持ちに正直に。
あまり人と関わる事が苦手な花音が、付き合おうと思った相手でしょ?」
薫の言葉が心にしみていく。
「花音のペースで良いんだよ?
付き合ってフワフワな感じを楽しみたいのなら、それはそれで良いし、
きっと、花音には必要な事だと思うよ。
もっと深く付き合いたいと思える様になったら、
そうすれば良い。
その彼は花音の事を守ってやるって言ったんだろ?
じゃあ、きっと花音の心も守ってくれるはずさ。
ちゃんと花音の気持ちを伝えて、お互いが良い関係になれば良いんじゃない?」
薫の意見はすごく真っ当で、正解なんだけど。
ジッと薫を見上げた。
薫は?
薫はそんな良い関係を築けるヒトはいるの?
過去にもいたの?
私は恋愛経験値どころか人生の経験値でさえも、世間一般と比べてとても低いんだ。
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