過去 藍墨色の夜(花音目線)

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あー居た堪れない。 デジャブなんだ。 この映画のベロチュウする前のシーンと、 私のアホ発言の後の薫と私のシーンが、 見事にかぶる。 プロの俳優さんが演じて醸し出す、甘く色っぽい空気よりももっと、薫の方が濃厚だった。 薫はハリウッドスターを超えてるよ。 あんなん迫られたらどんな女の人だってイチコロさ。 そんだけ色気があった。 近づいて来た薫は私にデロンデロンのベロチュウをするわけでも無く、 触れるだけのキスを唇にするでも無く、 おでこにチュッとキスを落とした。 あーーー、恥ずかしい。 本当に恥ずかしい。 こんな感じで小山君に会うのも気が引けて、 今日のデートはお断りの連絡をするも、 小山君は小山君で強引で、何故か彼の家で仲良く映画を観ている。 でも、 ちゃんと、自分の気持ちも小山君に伝えたかったから、 まぁ、良いんだけど。 まだ伝えてはないけどね。 何故か気もそぞろ。
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