過去 藍墨色の夜 Ⅱ (花音目線)

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「黒瀬君は待っていると思うよ? 花音ちゃんの一番の成長を楽しみにしているのは、彼だと思うよ? しっかり話し合うのよ。」 何の根拠があるのか分からないけど、 柊さんが後押ししてくれた。 思い悩んで出した結論。 目標は薫の横に堂々と立てる自分。 その為にすべき事。 留学。 それも薫が行った所と同じ所。 世界のセレブリティの子供らが集まる学校。 恐らく、薫の会社は将来的に、この地元に止まる事なく本気で海外進出を目論んでる。 そうなれば、海外での修行が一番だ。 必要な社交性も身につけなければならない。 薫が行った留学先はそんな私が思い描く将来にうってつけだ。 守ってもらうだけではない。 強い人間になりたい。 なーーんて。 薫の気持ちも聞かないまま、勝手に盛り上がってしまった。 薫に話そう、私の気持ちを。 ちゃんと!
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