過去 藍墨色の夜 Ⅱ (花音目線)

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小山君は寂しげな顔で見送ってた。 「何故、か、黒瀬さん?」 「花音が学校を少し休んでた時、 黒瀬さんに会ったんだ。 なんで守ってやるって約束したのに、 途中で、花音を信じずに約束を反故にするんだ。 って。 それでさ、ハッと気がついたんだ。 俺、一番花音の事分かってるつもりでいたのに。 あんな事があってから、実は花音は裏でいろんな事やってて、経験も豊富で、学校では大人しい仮面を被っているんじゃないだろうか、とか。 まぁ、多田さんにも吹き込まれた事もあるけど………。 色々、焦ってしまってたんだよなぁ。 でも、黒瀬さんに言われて反省した。 あの人は大人で花音の事をすごく大切にしてるんだって思った。 こんな、高校生のガキにも誠実さが伝わってきてさ。 本当、 自分が恥ずかしい。」 薫がそんな事。 「だから、黒瀬さんの処に行くのかと思って。」 やっぱ、俺じゃ無理だよな。と、眉毛を下げてかたる小山君。 だから、私もちゃんと言い切ろう。 「最終的にはそうなるように頑張るつもり。 その為の留学だから。 いつか必ず、彼により添える自分になりたい。」 真っ直ぐ、小山君を見てそう宣言した。 小山君も私を見返し、真面目な顔になった。 「………頑張って。」 そうやって、私はこの学校を去った。
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