過去 藍墨色の夜 Ⅱ (花音目線)

33/33
261人が本棚に入れています
本棚に追加
/362ページ
それはそれは旅立ちにはもってこいの綺麗な秋晴れの日だった。 見送りに来たのは両親はもちろん、薫。 両親は「どーんと行ってこーい」と、雑に見送って、上階の寿司屋に寿司を食べに行った。 薫はギリギリまで見送ってくれた。 もしかしたら両親は気を利かたのかもしれない。 「なんか。いつもと反対だね。」 「そうだね。 花音、待ってるから。」 「待ってて。」 「帰ったらアノ続きをしようか」 柄にもなくそのセリフで真っ赤になった。 アノ続きと言うのはベロチュウの事で、 思い出して、真っ赤かだ。 それは濃厚で、小山君のソレとは違い、最後には立てなくなってしまった。 「覚悟しててね。」 なんて、言われたけど。 ソノ続きは帰って来てからでは無かったけど。 留学したから万々歳ではなく、留学先では如月の名前がついてこないだけで、いろんな人がいて揉まれて揉まれて、色んな体験ができた。 夏休みに無理して渡米した薫と初体験もしてしまった。 私が無事に日本に帰ってきたのは、向こうで高校と短大を卒業してからになる、4年後の事だ。
/362ページ

最初のコメントを投稿しよう!