私立世末学園雑話録『パワードスーツ先生』

4/6
前へ
/29ページ
次へ
「やつらですか?」 「間違いありません。クルライダーズです」  クルライダーズは、ここ私立世末学園の問題児グループだ。校舎の窓ガラスがすべて割れ、消火器が見当たらないのは、概ね彼らのせいである。  一分もしないうちに、鎧出と高畑の前に三台の改造バイクが姿を現した。ド派手な真紅や黄金に塗装されたバイクは、鎧出のパワードスーツといい勝負だ。両者とも日差しを浴びてギラギラと輝きを放っている。  そのバイクから運転手たちが降り、特攻服をなびかせた。 「ヒャッハー。センコーども」 「チーッス」 「……」  まずリーダー格のリーゼント坂口が、つづいてモヒカン石川とスキンヘッド太宰が各々ガンを飛ばしながら食いつく。 「おまえら、バイク登校は禁止だぞ。何回言ったらわかるんだ」  高畑が毅然たる態度で、三人と向かいあう。 「んだあ!? 一年ちょっとのヒヨッコがナメた口きいてんじゃねえぞ! オラァ」 「ママに言いつけんぞ。ああん?」 「……」
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加