3人が本棚に入れています
本棚に追加
目を見開き、愕然とした顔をしているはずなのに。
いくら見ようとトイレの風景しか写らない鏡。
「…死んだの?」
呟いた自分の声はあまりにも掠れて小さかった。
確かに楽になりたいと願っていた。
学校ではからかわれたり、いじめられてばかり。
家ではそんな僕を心配するどころか気にしてくれる家族もいない。
この世界から消えたいって何度も考えた。
もしかしたら本当に自殺してしまったんだろうか。
待てよ?それならそれで…
僕は自由だ。
やりたかったことが今なら全て出来る。
苦しい現実から逃避するように考えてたことが色々あったのだ。
反対側のホームへ向かった。
来た道を戻り、学校が見えてきた。
部活で校庭を走る生徒たちのかけ声が聞こえてくる。
あいつ、必ず教室で悪友たちと悪ふざけしてから帰っていたはず。
「じゃーな」
来た!
相変わらず態度が悪いというか、体を大きく横に揺らすように歩いてくる。
今時珍しい、漫画に出てくる不良みたいな歩き方だ。
よくも毎日毎日、人を脅してパシりにしたり物を取り上げてくれたな。
殴りたくても手で触れられないので、とりあえず着いて行ってみることにした。
最初のコメントを投稿しよう!