消えて見つけたもの

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目を見開き、愕然とした顔をしているはずなのに。 いくら見ようとトイレの風景しか写らない鏡。 「…死んだの?」 呟いた自分の声はあまりにも掠れて小さかった。 確かに楽になりたいと願っていた。 学校ではからかわれたり、いじめられてばかり。 家ではそんな僕を心配するどころか気にしてくれる家族もいない。 この世界から消えたいって何度も考えた。 もしかしたら本当に自殺してしまったんだろうか。 待てよ?それならそれで… 僕は自由だ。 やりたかったことが今なら全て出来る。 苦しい現実から逃避するように考えてたことが色々あったのだ。 反対側のホームへ向かった。 来た道を戻り、学校が見えてきた。 部活で校庭を走る生徒たちのかけ声が聞こえてくる。 あいつ、必ず教室で悪友たちと悪ふざけしてから帰っていたはず。 「じゃーな」 来た! 相変わらず態度が悪いというか、体を大きく横に揺らすように歩いてくる。 今時珍しい、漫画に出てくる不良みたいな歩き方だ。 よくも毎日毎日、人を脅してパシりにしたり物を取り上げてくれたな。 殴りたくても手で触れられないので、とりあえず着いて行ってみることにした。
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