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ため息をつきながら教室に向かう。
ここへ来たって仕方ないけど、家に帰ったところで誰も気づかないし、やることも無い。
夕焼けのあたる教室。
普段は居心地が悪くてすぐに帰ってたから知らなかった。
こんなに綺麗で優しい空間だったんだな。
ぼんやり窓から外を眺めていたら誰かが教室へ入って来た。
あ!彼女は…
クラスで1番可愛い女子、優しいし頭もいいから人気があった。
ほんのちょっと憧れの目で見ていた。
まあ、もちろん僕じゃ見てもらえないと解ってるけどさ。
でもなんか変だな。
いつもの彼女と様子が違う…
「あー、もうウザイ」
ボソリと低く言った彼女。
「よくあんなレベルで告白してくるよね…信じらんない。あー、面倒くさ」
…………
目が点、というか。
僕の知らない…きっとクラス中の男子が知らない彼女を唖然と見つめてしまった。
それ以上聞きたくなくて、ふらふらと教室を後にした。
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