もう、帰れない

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「お探しものは、見つかりました」 軍服を着た片目のない男は、赤い長いレッドカーペットの上で膝まついて言った。 その、軍服の男の先には大きな身体よりも、大きな大きな豪華な贅沢な椅子に座っている女王がいた。女王は、あくびをして軍服の男の話を聞いて、ニヤリと笑った。 「……まさか、わらわのウサギよりもお前の方が、早かったとは予想外じゃ」 「ウサギは、鈍いですからね」 女王は、軍服の男に杖をさした。 その中に緊張感が走る。軍服の男は、にやにやと笑ったままだった。 「……嫌だな、女王様は」 「フッ、まあいいそなたに命令を授ける」 軍服の男は、頭を下げた。女王は、豪華な贅沢な椅子から立ち上がると、杖を突きつけて 「アリスを、連れてきてゲームの始まりじゃ」
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