25人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「……はい」
「けど、
ちゃんと受験にも真剣に取り組むんだったら、
俺は、その、待ってるから。
大学卒業するまでずっと待ってるから」
照れたように先生はあたまを掻いてる。
それって……。
「先生は、その、私のこと、」
「だからそういうことも含めて
“待ってる”だ」
私に全部云わせないで先生は遮った。
それは、その、
いまは云えないけどってことですよね?
じゃあ、私は。
「先生が待っててくれるんだったら。
志望校、考え直してみます」
「うん。そうしろ」
ぽんぽん、先生の手が私のあたまにふれた。
初めてそんなことされて、
思わず先生の顔を見上げる。
レンズ越しに目があうと、
……先生は真っ赤になった。
最初のコメントを投稿しよう!