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そういうわけで、龍一は高広に作戦内容を告げ、さっさと実行に移り始めている。
「待てよ。じゃあ爆弾はどうする気だ。あんたの存在が外にバレれば、すぐにでもドカンなんだぜ」
「窓の下の救助マットの空気圧でも確認しておけ」
「おいおい。全員を窓から放り出すつもりかよ」
「3階から落ちたところで、どうにかなるとは思えない」
「落ちて打ちどころが悪けりゃ、死ぬじゃねーか」
龍一の作戦は、とてもじゃないが安全な救助措置とはいえない。
爆弾が爆発する前に、全員を校舎から出してしまえという発想なのだ。
すでに拘束した他の犯人たちも、別棟の体育館の中に放り込んであるという。
「体育館に爆弾が仕掛けられている様子はなかった。だからたとえ、校舎が吹っ飛ばされたとしても、あそこは残るはずだ」
いざと言う時の災害避難場所でもあるから、学校の体育館に大がかりな耐震補強工事が施工されたのは、最近の話だ。
だからといって、地震と爆弾を同じレベルに考えているところが呆れる。
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