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ずっと高広の呼びかけに答えることのなかった龍一だが、
「救助マットの確認はすんだか?」
龍一の方から声をかけてきた。
高広はその場で身を乗り出すようにし、
「待てって言ってるだろーがよ。早漏は嫌われるぜ」
マイクに向かって怒鳴り声をあげる。
どうも、嫌な予感がして止まない。
何かが自分の思考に引っかかっている。
しかし龍一は、
「言っただろう。俺は暇ではない」
ひとこと無感動に宣言して、
「3、2、1――」
短い秒読みを開始する。
その瞬間!
「そうだ、スプリンクラーだ!」
高広が叫んだ。
耳を覆いたくなるほどの激高した剣幕に、
「……スプリンクラー?」
龍一がようやく会話をする気になってくれたようだ。
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