3 人気者

5/14
114人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
「……お前は、よくもそこまで、アホらしい作戦を……」 さすがの有坂龍一をも絶句させる、秋場高広が言って寄越したミッションは、とんでもなくくだらないものだった。 正気なら、まともに受け取れない。 だが、 「魚が降った日だぜ。なんでもイけるって」 高広の口調は成功の確信に満ちている。 「ちっ」 今度は龍一が舌打ちをする番だ。 天才の思考は、凡人のはるか上を行く。 ただ高広の場合、ずいぶん斜め上を行くものだから、それを受け入れるのに、ちょっと時間がかかるのだ。 そして今はもう、本当に時間がない。 警官隊は突入の準備を着々と進めているし、生徒や犯人の精神状態も限界だ。 「了解した。そっちの準備が整ったら、連絡をよこせ」 「OK.10分もありゃあ楽勝。そっちも任せたぜ」
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!