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「……お前は、よくもそこまで、アホらしい作戦を……」
さすがの有坂龍一をも絶句させる、秋場高広が言って寄越したミッションは、とんでもなくくだらないものだった。
正気なら、まともに受け取れない。
だが、
「魚が降った日だぜ。なんでもイけるって」
高広の口調は成功の確信に満ちている。
「ちっ」
今度は龍一が舌打ちをする番だ。
天才の思考は、凡人のはるか上を行く。
ただ高広の場合、ずいぶん斜め上を行くものだから、それを受け入れるのに、ちょっと時間がかかるのだ。
そして今はもう、本当に時間がない。
警官隊は突入の準備を着々と進めているし、生徒や犯人の精神状態も限界だ。
「了解した。そっちの準備が整ったら、連絡をよこせ」
「OK.10分もありゃあ楽勝。そっちも任せたぜ」
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