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そして、高校の理科室に人質を取って立てこもっていた犯人グループは、生涯、生きている間には、けして見ることはない、とんでもない厄災を目撃することになる。
いきなり、
――ゴゴゴゴゴ――
地鳴りのような音が足元から響いたかと思うと、
――パリン――
窓ガラスが一枚割れる。
「?」
慌てて様子を確かめるために顔をあげれば、
「インセキだ!」
何を言われたのか、一瞬わからない突拍子もない単語。
『インセキ?』
頭の中で言葉が漢字にならない。
しかし、
――ゴオーッ!
地鳴りは一気に大きくなり、音に共鳴したように、また窓ガラスがパリンパリンと割れる。
割れたガラスの向こう側に、いきなり、天変地異が降ってきた。
「!」
「インセキって、『隕石』?」
やっと言葉と単語の意味が結びつく。
さっきまで警察が見張っていた校庭から、こちら側に降り注ぐように、数え切れない石つぶての雨が襲いかかってきたのだ。
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