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「はあーっ?」
空から星が降ってくる。
大量の流星群。
そんなロマンチックなことを言っている場合ではない。
真っ赤に焼けた岩のカタマリが、空にかかった階段を転がり落ちてくるように、ゴロンゴロンとこちらに向かってくる。
「えええーっ!」
あげる悲鳴が疑問系なことは、誰も責められない。
自分の目で見ているはずなのに、とても信じられない。
目の前の光景が、現実のものだなんて思えない。
それはまるで、小学生の頃に習った、恐竜絶滅の瞬間。
「はあっ、何これ、どうなってるの!」
さっきまで曇っていた空が、いつの間にか窓に蓋をしたように真っ暗だ。
波打つように激しく吹き荒れる風の中に、焼けただれた隕石がどんどんと降り注いでくる。
――こちらに迫ってくる――
「!」
「なんだコレ?」
この期に及んで、まだ疑問しか口にのぼらない。
すると、
「ぼんやりするな、窓際は危ない。すぐに体育館に避難だ」
廊下から、しっかりとした発音の、頼もしい声が聞こえる。
「早く! 全員廊下に出ろ。一列に並んで、速やかにGo!Go!Go!」
生徒たちの背中で、窓ガラスがパリンパリンと割れる。
地鳴りの音もどんどん大きくなる。
「走れ。ぐずぐずするな。頭を庇って走るんだ!」
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