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もちろん、スクリーンに投影した映像なんかで、普通なら騙されるわけがない。
だが、
「高広それよりお前、俺を殺す気でもあるのか?」
龍一がそっぽを向いた理由は、高広が龍一に与えたイヤホンが原因である。
それは学校中に散らばった犯人たちの位置情報を龍一に知らせたり、魚が降るタイミングをカウントダウンしたり、確かに龍一を手助けする役割も果たしていたのだが、
「あれを使えば、お前はいつでも俺を殺せた」
龍一が言うように、天変地異の前触れの轟音、地面を揺るがすのではないかと思わせる大音量の地鳴りの音は、すべてあのイヤホンから発せられたのである。
あんな音、龍一の耳の中で発信されたら、龍一の脳はすぐさま破壊されてしまうだろう。
その後は、良くて一生廃人。
「まあまあ、あれは予想しないラッキーだったってことで済ませておけよ。もともと、そんなものでお前さんを殺すつもりなんかねーしな」
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