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「その目的があるのに、校舎に目隠し張ったぐれーで、あいつらはスイッチを押すわけはねえ。そう踏んだんだ」
あまりの事実に、龍一は思わず言葉を失う。
「お前、そんな危険な橋を……」
もしも、高広への見せしめなどと考えずに、校舎の窓にスクリーンを張るなんて怪しい行動に激高して爆弾のスイッチが押されていたら、今ごろ全員が木っ端微塵に吹き飛んでいた。
爆弾の餌食だ。
「高広。お前は自分に、それだけの価値があると言っているのか?」
起爆のチャンスを見逃すほどの、テロリストが持っている秋場高広への執着。
いや恨みか?
そんなものを背負った相手と、今度は戦いになる。
高広は、
「人気者にも困ったもんだね」
呑気に肩をすくめながら言うが、
「俺じゃなくお前の脳みそを破壊してしまった方が、今後の世界平和に繋がるんじゃないのか」
龍一はつい、自分の懐にのんだ銃の位置を頭に思い描く。
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