1 学校占拠

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高広の言葉に、 「銃を向けてくる相手に手加減が必要だと?」 龍一は問い返す。 高広は、 「それがさっき、あんたへの依頼をためらった訳だ。あいつらは何をしでかそうとも、俺の生徒でもあるからよ」 高広の言葉に龍一は高広のプロフィールを思い出す。 いくつもの特許を取得している科学者の顔を持つ傍ら、秋場高広は近隣の高校で臨時教師を勤めることもある。 そんなほんの一時期でも関わった学生を『生徒』と言ってしまったら、どれだけ庇うべき『教え子』がこの世に存在するのか、わからなくなってしまう。 どれだけお人好しなのだと言ってやりたいが、『世紀の天才』を自負しているこの男は、自分の持論を変えることはないだろう。 そんな天才の考えることなど、龍一にはわからない。 「出来るだけ、傷つけねーで、なんとかしてやってくれ」
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