7 強奪

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何がしたいのか何をされているのか、さっぱりわからない。 ただ、とてつもなく凶悪な環境におかれているセルゲイを尻目に、 「見えた。あそこだ」 高広は口の中で言って、ハンドルを左に切る。 でも左側には核燃料を積んだトラックが走っている。 どんな頭で考えたって単純なはずだ。 あちらは大型トラック、こちらは小型自動車。 激突すれば、結果は見えている。 でもまっすぐ走ったとしても、前方にはロケットランチャーを構えたヘリが待ちかまえている。 小型自動車で、対戦車兵器のロケットランチャーの標的? もう、乾いた笑いしか出てこない。 「お前、どんな恨みをかってるんだ!」 それしか思い当たらない。 味方のはずのヘリに狙われながら、大型トラックに突っ込んでいく。 秋場高広という男は、よほど業が深い星の下に生まれているに違いない。
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