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「しゃべると、舌を噛むってばよ」
言いながらハンドルを切る高広は、同時に、
「痛てっ!」
と悲鳴をあげた。
忠告した本人が舌を噛んだようだ。
無理もない。
ヘリから発射されるランチャーの弾が、弾幕を張るようにアスファルトを捲りあげていく。
まるで水でも噴き出すように、高広が避けた脇から、地面が爆発していく。
高広は軽快なハンドルさばきでそれを避けつつ、
「すぐにランプだ。そっちへ回避しろ」
寄せたトラックに向けて、大声を張り上げた。
トラックの運転席は窓が開いている。
高広の声が聞こえたのだろう。
トラックは急ハンドルを切って、側道へと進路を変える。
もちろん高広も後に続いた。
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