7 強奪

19/20
前へ
/114ページ
次へ
「うわっ!」 悲鳴を上げて飛び上がり、タップダンスのようなステップを踏む男たち。 「どうなってる、何でだ」 そんなことセルゲイだって聞きたい。 しかし今度こそ高広は、ちゃんと種明かしをしてくれた。 「俺のバックには鷹の目がついてんの。お前さんらも見たでしょ。あのヘリ」 伸ばした人差し指の先を天空へと向ける。 かすかにパラパラというヘリコプターのプロペラ音が聞こえた。 「そう、飛んでるヘリの上からお前さんたちを狙っている、イヤミな野郎がいるわけだ。 そんな場所から当たるわけないなんて思わない方がいーぜ。あいつはヘリからでも、走る車のヘッドライトを撃ち抜く腕を持ってる」 さっき、真っ先に急ブレーキをかけた乗用車のことだ。 あれはヘリからの狙撃が原因だったのか。 「それに――」 高広は続けて、にっと極悪な表情を浮かべる。 「こっちにはロケットランチャーもあるしな」 「!」 男たちは思い出したように、ギクリと肩を震わせる。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加