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「うわっ!」
悲鳴を上げて飛び上がり、タップダンスのようなステップを踏む男たち。
「どうなってる、何でだ」
そんなことセルゲイだって聞きたい。
しかし今度こそ高広は、ちゃんと種明かしをしてくれた。
「俺のバックには鷹の目がついてんの。お前さんらも見たでしょ。あのヘリ」
伸ばした人差し指の先を天空へと向ける。
かすかにパラパラというヘリコプターのプロペラ音が聞こえた。
「そう、飛んでるヘリの上からお前さんたちを狙っている、イヤミな野郎がいるわけだ。
そんな場所から当たるわけないなんて思わない方がいーぜ。あいつはヘリからでも、走る車のヘッドライトを撃ち抜く腕を持ってる」
さっき、真っ先に急ブレーキをかけた乗用車のことだ。
あれはヘリからの狙撃が原因だったのか。
「それに――」
高広は続けて、にっと極悪な表情を浮かべる。
「こっちにはロケットランチャーもあるしな」
「!」
男たちは思い出したように、ギクリと肩を震わせる。
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