母と息子

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 今日は息子に会いに行きます。  数年ぶりに、離れていた息子を引き取りに行くのです。  あの時のわたしは、まだ子どもでした。  社会の中で生きていくにはまだ無知で、そんなわたしが子どもを抱えたまま生活することは苦しかったのです。  でも、わたしだって少しは大人になりました。  まだ分からないことや大変なことも多いけれど、息子と一緒に成長していきたいのです。  ……良い人とも出会えましたし、息子に会わせてあげたいのです。 「おかあさん……?」  久しぶりにあった息子は、当たり前ですが成長をしていました。  背が伸びたかな、少しだけ丸みがなくなって、ほんの少し大人に近づいたようにも思えます。  手を繋いで、今わたしが住んでいる家へと帰ろうとした時、息子が言います。  わたしは、何か重い鈍器でガツンと頭を殴られたような衝撃を受けました。 「――今日はどこにお泊りするの?」  嗚呼、わたしと離れていた間、この子には自分の家がなかったのだ。  そう気づいてしまえば、仕方なかったとはいえわたしの選択は間違っていたのだと、そう思いました。  家は、家族は、一体子どもにとってどれだけ大切なものとなれるのでしょうか。
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