第1章

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ある日、地表のすぐ傍に幾つもの太陽が出現した。 核戦争と言われる物である。 地上の楽園は失われ、人類は地下の牢獄に居場所を移す。 地下の牢獄に居場所を移す事が出来たのは、総人口が70億を超えていた人間の、極僅かな者達だけであった。 核戦争が起こる事を予測し、準備を整えていた、権力者と軍人に科学者。 準備が整えられていた核シェルターに隣接していた、地下鉄や地下街にたまたまいた一般人。 核シェルターに避難していた権力者達は、自分達の居場所を快適な物にするため、地下街等で助けを待つ一般人達を援助する振りをして、労働力を確保。 核戦争前に造られていた核シェルターの広さを、100倍程の大きさに拡充する。 拡充する工事が終わると、そこに住まわせて貰えると信じていた一般人を、天国と称されていた核シェルターから放逐。 地下街等の、後に地獄と称される場所に隔離される。 牢獄の中ではあるが、当初の内、天国は暮らしやすい所であった。 しかし数百年の時が経つ内に、天国の人口が増え、自給できる食料で養える人口を超えた時、天国の中で争いが始まる。 天国に住む者達は、争いが始まってから千数百年の間に、幾つものグループに分裂し、自分が属するグループ以外の人間を、食料とみなすようになった。
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