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小さな小さな公園にたどり着いた。
砂場とブランコとベンチがあるだけの
シンプルな公園。
猫はそこで姿が見えなくなってしまった。
ああ、いなくなってしまった
いよいよ追いかける対象もいなくなり、
寂しさばかりが増大する。
ぽつんと光る自動販売機に吸い寄せられ、
とりあえず暖かいココアを買って、
ベンチに座った。
わたしがここに来た事なんて誰も知らないけど、
誰かが迎えにきてくれるかもしれない。
絶対に迎えになんか誰も来ないのに、
ぽつんと一人で待ってみようと思った。
寒い中一人でココアを啜って迎えを待つ。
こんな寒いなか、どれくらい待てるだろうか、
でも、一人でここから歩いて帰れる気がしない。
実際はいくら知らない街並みでも、
頑張れば多少遠回りになっても帰れるだろう。
でもそんな気になれず、なんなら朝日が上るまで、
ここでひたすら待ってみようなんて思っていた。
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