RUMI〈 ⅩⅣ 〉

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   だから、素っ気なく答えた。 「別にぃ、悪い事じゃ無いっしょ」 「えぇ、素晴らしい事ですよ」 「だったら、いいじゃん」 「ですが確認しているのは、ちひろさんの数字ですよね?」  まったくこの人は、変なところでウチの事を見抜いてくる。だから、こんな時に近くにいられると困る。だけど、この三日はちひろの数字だけを見てた訳じゃない。  あくまでも、全員を見てた。  ちょっとムキになりながら、そう答えると店長はうっすらと微笑んでいる。  今の気持ちも、見抜いたの? 「どうして、ちひろさんに拘るのでしょうか? 今のルミさんならば、気にする事も無いでしょう」 「本当に、そう思う?」 「えぇ、今でしたら」 「はぁ、店長も分かってるんじゃん。ちひろは、特別なんだって」 「ちひろさんが特別なのは、間違いありません。ですが、それはルミさんも同じですよ」 「はい、はい。そゆ事にしとこうかね」
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