プロローグ

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   その女の子がオレの嫁、ちひろだ。  三年前、この店をオープンする直前。ちひろと結婚したが、未だに子供は授かってない。  ちひろは、オレの前に付き合っていた男に傷つけられ。男性恐怖症になり、男から触られると体調が悪くなる。  まぁ、以前のオレたちはもっと酷かったけど。  ちひろは、当時程では無いにしてもトラウマは抜けきれず。オレ以外の男から、触れられると未だ発作が軽く出る。  寝込んだりしなくなったのは結婚した直後で、その辺りが精神的に作用したのかもしれない。  キャバクラにいた頃より、今の方が男に接する機会は少なくなった。その事も、ちひろには良かったのかもしれない。 「ダーツのメンテナンスって、今日だったよね?」 「あと、三十分で来るってよ」 「えっ、開店時間に被りそうじゃん。どうして、そんな時間にするかな」 「いいじゃないか。あっちだって、忙しいんだろうからさ」
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