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結婚して、多少だが性格がきつくなったかもしれない。
特に二人で出資して始めた、この店ダーツバー【サウザンド】に出てる時。オレに対しての物言いは、特に厳しい。
二人きりだと、また違うんだが。
関西商人の本能と言うか、根っからの接客好きがそうさせるのか。従業員の接客態度には、ことさら厳しい。
そう考えると、一番の被害者は土井くんになるのか。
土井くんとは、オレが通っていたショットバー【シルフ】の元バーテン。無類の女好きにして、超が付くいい加減な男だ。
そいつを、ちひろが引っ張ってきた。
「それで、土井くんは?」
「今日も、ギリギリで遅刻じゃねぇのか」
ギリギリで遅刻と言う、おかしな日本語でちひろに答える。そうしながら、ある程度の開店準備を終えて、フロアのテーブル席の一つに座る。
ちひろも、オレの向かいに座る。
「土井くん、どうするの?」
「クビだよ、クビ」
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