平成27年10月6日

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晴惹は黒板に教師よりも綺麗な字で、すらすらと問題を解いていった。 クラスの全員がまた「人気者」のことを尊敬、いや好きになったに違いない。 でも、俺は好きになってはいないから、(感謝はしているけど)全員ではないか。 午前の授業はこれで終わりだ。食事にいく前に、晴惹にお礼を言いにいかなければ。俺の好きな北海道産ミルク飴を持って。特別に、三個も用意したんだ。これで借りはなくなるはずだ。 友人等に囲まれて学食にいこうとしているだろう、晴惹に声をかける。 「………あの、」 聞こえるだろうか。聞こえてなきゃ、お前の耳は存在しないのかと思うところだが(実際虫の息より小さい声だったとは思うが) 人気者スキルというまでもなく、 「ん?どうした?」 と爽やかな笑顔で答えてくれた。 教室の外に出て、人がよりつかない廊下まで案内までしてくれた。 人払いをしてまで話す内容でもないんだが、気を使ってくれたんだろう。ありがとう、晴惹。 「で、佐藤君。話って……なに?」
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