第二話『プリティ・ウーマン』

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「僕はただのスタッフで、千映さんの恋人じゃありませんから」 「恋人じゃなくてもキスぐらいいいでしょ? 同じビルに住んでいるんだから、夜這いだって簡単にできるよね」 「…………いや。今の僕は恋愛のことを考えている余裕はありません。仕事で覚えなければいけないことがいっぱいありますし」 「うちの妹が魅力的じゃないってこと?」 「そんなこと言ってませんから!」 「じゃあ、魅力的なのね?」 「…………綺麗な人だとは思いますよ」 「そうでしょ!」 美亜の顔がぱっと明るくなった。 「あの子、私に似て外見は悪くないのよ。でも、恋愛に関しては奥手だし、映画に命を懸けているからね」
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