第二話『プリティ・ウーマン』

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「悠人君も千映のことが嫌いじゃないのなら、積極的に攻めてみなよ。千映って私より胸は小さいけどスタイルはいいよ。それに、あの子の左目の下にほくろがあるけど、左足の太股の内側にも小さなほくろが…………」 「お姉ちゃんっ!」 突然、千映さんの声が聞こえてきた。 視線を動かすと、エントランスホールの入り口の前に千映さんが立っていた。 千映さんは熟れたトマトのように顔を真っ赤にして美亜さんに駆け寄る。 「悠人さんになにを言おうとしてるのっ?」 「あ、やっと戻って来たか」 「戻って来たかじゃないよ! 変なことを悠人さんに言わないで!」 頬を膨らませて、千映さんは美亜さんを睨みつける。 千映さんの怒った姿を見たのは初めてだな。 まあ、これは恥ずかしいか。
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