第二話『プリティ・ウーマン』

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「あなたの人の心が読める力は探偵業にこそ役立つの。あなたがいればうちの探偵事務所は大きくなれる。二人でお金持ちになろうよ。マネー・イズ・ジャスティスよ」 「そんな悪役が言いそうなセリフで勧誘される気はありません!」 美亜さんの手を振り払って、千映さんは首を左右に振る。 「それに、真面目に仕事をしていればお金はなんとかなるから。今、上映している『プリティ・ウーマン』も黒字になりそうだし」 「『プリティ・ウーマン』って、ポルノ映画だっけ? いつの間に成人向けの映画館になったの?」 「違うよっ!」 怒りの表情が千映さんの顔に浮かぶ。 「『プリティ・ウーマン』は一九九〇年公開のロマンティックコメディだから。主演はリチャード・ギアとジュリア・ロバーツ。この映画でジュリア・ロバーツはゴールデングローブ賞の最優秀助演女優賞を獲得したの。実業家と娼婦の恋の物語で女性に人気の名作映画だよ」
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