第二話『プリティ・ウーマン』

29/89
前へ
/258ページ
次へ
「すごいな。まさか、あの程度の情報で作品名が当てられるとは思わなかった。心が読めるというのも、あながちウソじゃなさそうだ」 「そうでしょーっ!」 美亜さんが千映さんの肩をポンポンと叩いた。 「これがうちのエースの実力ですから。それで、九桁様」 「僕の名前は原田だよ」 「あ、そうでした。原田様、彼女さんの情報も教えていただければ」 「彼女の名前は日野麗華。二十二歳のキャバ嬢だよ。つき合い始めて三ヶ月かな」 「キャバ…………。そう…………でしたか…………」 「というわけで出会いはキャバクラさ。フリーの編集者の三木さんに連れて行ってもらったんだ」 原田さんはその時のことを思い出しているのか、顔を上げてまぶたを閉じた。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

202人が本棚に入れています
本棚に追加