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「あれ? 瀬川さんじゃないっすか」
突然、聞き覚えのある声がした。顔を上げるとパートの梶原君がいた。
その隣には石川さんもいる。
梶原君は二十歳の男性で、背が高く小麦色の肌をしている。
石川さんは声がアニメキャラのように甲高いぽっちゃりした女性だ。
二人が一緒にいることに驚きながら、僕はベンチから立ち上がった。
「梶原君と石川さん? 何でこんなところに二人が?」
「あーっ、言ってなかったですかね。俺達、つき合っているっすよ」
梶原君がぽんと平石さんの肩を叩く。
「まだ、一ヶ月目ですけど」
「あ…………そうだったんだ」
「もう、ばれていると思ったんだけどな。ほら、休む日が一緒だから」
「いや、気づかなかったよ」
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