第二話『プリティ・ウーマン』

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原田さんが部屋から出て行くと、美亜さんは千映さんに声をかけた。 「で、どうなの? 麗華ってキャバ嬢はウソをついているの?」 「そんなのわかんないよ」 千映さんが突き放した言い方をした。 「麗華さんに会ったわけじゃないし、情報もそんなに多くないから。ただ…………」 「ただ、なによ?」 「ううん。情報が少なすぎるし、今、話すようなことじゃないから」 「じゃあ、原田さんのほうはどう? ウソをついていることはない?」 「そっちはないと思うよ。演技をしている様子はなかった。それに、ウソをつく理由がまずないし」 「たしかにそうね。前金ももらったし、ここで私たちにウソをついたら意味ないか」 美亜さんは来客用のソファーに腰を下ろして長い足を組んだ。 美亜さんは派手で胸も大きいし、キャバ嬢になったら写真で見た麗華さんより人気が出るだろうな。
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