第二話『プリティ・ウーマン』

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美亜さんは千映さんを睨みつける。 「あなたほどじゃないけど、私も細かいところに気がつくタイプなの」 「そのわりには、ミステリー映画で犯人を当てたことなかったけど」 「そっ、それはフィクションだからよ。リアルならどんな難事件でも解決してみせるから」 「それなら、私を巻き込まないで欲しいんだけど」 「将来性のない仕事にこだわる妹を心配しているのよ。映画館なんて、どんどん潰れているじゃない!」 「そんな心配しなくていいから!」 言い争いは続いていたけど険悪ってほどでもないし、止める必要もないか。 多分、この姉妹はいつもこんな調子なんだろう。
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