第一話『ショーシャンクの空に』

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僕は梶原君と石川さんを交互に見る。 石川さんが梶原君の腕を肘で突いた。 「私たちのことはどうでもいいよ。今、瀬川さんは大変なんだし」 「大変って、デジカメが盗まれたこと、知っているの?」 「さっき、寺中チーフから電話があったんです。瀬川さんが会社を辞めるから、休日出勤してくれって」 「俺にも電話がありましたよ。マジっすか? 辞めるって」 梶原君が太い眉を眉間に寄せた。 「でも、犯人扱いされるって、ひどいっすね。瀬川さんが一番真面目に働いていたのに。犯人の心当たりはあるんですか?」
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