第二話『プリティ・ウーマン』

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「対象者が出て来たよ! 頭を下げて」 「は、はいっ!」  頭を下げてフロントガラス越しにアパートを見る。 原田さんのスマートフォンに表示されていた女性が階段を下りていた。 黒系の地味な服を着ていて、チェック柄のトートバッグを持っている。 写真と違って化粧も薄めだけど、麗華さんで間違いない。 麗華さんは尾道駅のある方向に歩き出した。 「歩いて移動か…………」 千映さんは頭を下げたまま、舌打ちをした。 「とりあえず、悠人君が対象者を尾行して。私は車をコインパーキングに停めてくるから。後で合流ね」 「わかりました」
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