第二話『プリティ・ウーマン』

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「ところで、悠人君の貯金は?」 「恥ずかしながら、ほとんどありません」 「なによ! まさか、千映のひもにでもなるつもり?」 「そんなつもりはありませんよ! 第一、僕と千映さんは…………あっ!」 「え? もしかして隠し財産が百億円ぐらいあるの? それなら、私が千映の代わりにあなたの恋人に…………」 「違います! 麗華さんがこっちを見ているんですよ」 僕は視線を美亜さんの足元に向けたまま、口を動かす。 「海沿いの道の前です。そっちを見ないで!」 「わかってる。私はプロだからね」 美亜さんは僕の肩に手を乗せた。
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