第二話『プリティ・ウーマン』

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「まさか、ホストかなにかに貢いでいるんじゃないだろうな?」 「そんなんじゃないって!」 麗華さんが短く舌打ちをした。 「とにかくさー、せめて私の取り分は四割にしてよ。それだけのリスクはあるんだから」 「…………わかったよ。お前なしには無理な仕事だからな」 「やった! ありがとう。お…………三木さん」 三木さん? 三木って原田さんの知り合いの編集がそんな名字だったはず。 まさか、その三木さんなのか? 美亜さんもそのことに気づいたようだ。胸元のポケットに入れていたボールペンを触りながら立ち上がる。 「ちょっと御手洗いに行ってくるね」 そう言って、美亜さんは麗華さんたちが座っている席の横を通り抜け、トイレに向かう。 そうか。さっきのボールペンはペン型のカメラだな。証拠を残すために男の写真を撮ったんだ。 麗華さんと三木さんは僕たちが探偵だとは気づいていないようだ。 三木さんが新車を買った話を麗華さんにしている。 二人の笑い声を聞いて、僕は暗い気持ちになった。 こんな結果になるなんて、原田さんはショックだろうな。 『プリティ・ウーマン』ではお金持ちと娼婦の恋は上手くいったけど、現実は違うってことか…………。
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