第二話『プリティ・ウーマン』

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麗華さんと三木さんが店から出て行くと、美亜さんはテーブルから身を乗り出して、僕の肩をパンと叩いた。 「やったよ、悠人君! 録音も三木さんの写真も撮れたし、これで事件はほぼ解決ね」 「そう…………ですね」 「ん? 嬉しくないの?」 「いや、原田さんのことを考えると、大喜びはできないですよ」 僕はコップに残っていたフルーツジュースを一気に飲み干した。 「探偵事務所に依頼までして、その結果がこれですよ。きっと、すごく落ち込むんじゃないですか」 「それはしょうがないって。多分、原田さんも覚悟していたと思うよ。対象者が金目当てだったことをさ」 「金目当てか…………」 「お金は大切だからね。今の時代に生きていくには絶対に必要なものだよ。お金がなければ住む場所も手に入らないし、ここでランチを食べることもできない。悠人君もそれはわかるでしょ?」 「…………ええ。お金がなくて野宿も体験しましたから」 自分の肩がずっしりと重くなった気がした。 麗華さんがお金を欲しがるのは理解できる。 それは美亜さんが言うようにこの世界で必要なものだから。 でも、人を騙してお金を手に入れるなんてやってはいけないことだ。 きっと、麗華さんはその代償を払うことになるだろう。
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