第二話『プリティ・ウーマン』

65/89
前へ
/258ページ
次へ
一週間後、僕と千映さんは探偵事務所に呼び出された。 「はい! これが二人分の手当ね」 美亜さんはにこにこと笑いながら、千映さんに茶封筒を渡した。 「今回、千映は働いてないけど、特別ってことで。このお金でチラシの印刷代でも払うといいよ」 「気前がいいんだね」 千映さんは茶封筒をニットジャケットのポケットに入れた。 「まあ、有り難く受け取っておくよ」 「経費を抑えられたから、これぐらいはね。なんせ、尾行一日目で重要な証拠が手に入ったし」 「それで、原田さんはまだ来てないの?」 「もうすぐ来ると思うよ。今日、料金を支払ってくれる約束だから」 「調査結果はもう伝えているんだよね?」 「うん。警察も動いたから」
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

202人が本棚に入れています
本棚に追加