第二話『プリティ・ウーマン』

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「君から受け取った報告書を見せたら、あっさりと認めたよ。麗華と三木が会っていた写真もあるし、録音もあるんだから、言い逃れはできない」 「ニュースでは三木が主導していたように書かれていましたね。彼がターゲットを選んで、麗華…………さんを紹介して罠にはめていたとか」 「さんづけしなくていいよ。もう、麗華は僕の恋人じゃないし」 原田さんは元恋人の名前を吐き捨てるように口にした。 「三木は投資に失敗して借金があったらしい。フリーの編集の仕事だけじゃ、返済できない額のね。そして姪の麗華を使って結婚詐欺を繰り返していた」 「二人は血が繋がっていたんですね」 「ああ。麗華の両親は十年以上前に死んでいて、伯父の三木に逆らえなかったのかもしれないが、それでも彼女はもう大人だ。そんなことは言い訳にならない。それに、ボイスレコーダーに録音されていた二人の会話でも、麗華は分け前を増やすように要求している」 「そうですね。分け前が増えて彼女が喜んでいたのは事実です」
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