第二話『プリティ・ウーマン』

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美亜さんが整った眉を中央に寄せる。 「これで、彼女が更生してくれれば…………」 「どうだろうな。別れ際に『これからは一ファンとしてあなたのことを応援する。刑務所の中でも本は読めるから』なんて言ってたけど、もう彼女の言葉は信じない」 「こんな結果になって残念です」 「君たちが悪いわけじゃないから、気にする必要はないよ。麗華に渡した五百万円はどうなるかわからないが、追加で三百万円を取られることもなかったし」 「原田様なら、新しい恋人がすぐにできますよ」 「新しい恋人か…………」 乾いた笑い声が原田さんの口から漏れた。 「もう、恋人なんてどうでもいい。どうせ、僕に近づく女は全員が金目当てだろうし」
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